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 「……うわぁ」

 完成したばかりのアクセサリに触れ、彼女は小さな口で白い息をもらした。

 良いの?と窺う目に、いつもの無機質な面影はない。

 いつも陶磁器のような白い頬にも、鮮やかな赤みが差していた。

 僕は無精髭だらけの顔をこすりながら、数日間の徹夜が無駄じゃなかったと喜びを噛みしめる。

 そして、ポケットの中にあるモノの感触を確かめ、今度は軽く緊張した。

 「……コレと、セットなんだけど」

 差しだしたモノに、彼女の視線が止まり――、固まる。

 それは何の変哲もない、ただの真鍮製の合い鍵だった。

 誰のモノかは、言うまでもない。

 数秒間の沈黙は、かなり堪えるほど痛かった。

 「……要らない、かな」

 そう言って引っ込めようとした右手を、がし、と掴まれる。

 手が痛い。

 顔が、何かちょっと怖い。

 何かフォローをしなくてはと口を開き掛けたところ、

 「邪魔しないで」

 彼女はぴしゃりと言い――、

 「ときめいてるんだから」

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