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× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 「今はさ、何も言わないで、こうしててよ」 呟いた声の中に、震えは混じらなかったと思う。 私としては及第点だ。 「わがままかも知れない。気まぐれだって言われても良い。 でも、このキモチだけは本当だから」 親友の背中は、暖かかった。 親友でさえなければと、そう思った。 ――でも。 こういう思いをするのだけは、避けられなかったかも知れない。 学生服の生地に顔を埋めていると、雑多な生活臭とクリーニング屋の匂いがした。 思わず、走馬燈が回りだしそうになる。 いけない。 5秒後には、私は笑顔で離れなければいけないのだから。 感傷なんて振り切らなければならない。 ――さあ、顔を上げて。 1秒につき1年の想いと別れてしまおう。 ――バイバイ、 ――さよなら、 ……また会う日まで。 PR |
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