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× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 「感傷的じゃないですよ。感動的って言うんです、こーいう時は」 ……そうやって街の景色を評しながら、彼女はスナック菓子を旨そうに頬張っていた。 お世辞にも、感動しているようには見えない。 恐らく、彼女の人生においての「感動」とは、 「……そうだな」 遅れた返事に気を良くしたのか、彼女は少年のような笑みを見せて、 ケミカル味のコーンパフ。 それに手を伸ばしつつ、朱色に染まっていく麓の景色を見やった。 「――綺麗だな」 「はい」 もさもさと銀色の袋を漁る音が、何か間抜けだ。 横顔をちらりと見る。 数秒遅れて目が合うと、にへーという無邪気な笑みが返ってきた。 「なぁ」 聞いてみる。 「何で俺を誘ったんだ?」 目をぱちくりとさせ、直後、 「わたし、センパイのことそんけーしてますから」 含むところがありそうな表情でそう答えた。 「……付き合っても良いくらいに」 PR この記事にコメントする
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