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× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 「探しに行かなくちゃ」 彼女はそう呟いて出かけていった。 一週間前、いきなりドアベルを乱打した挙げ句「私を拾って下さい」とのたまった彼女は、 それを拾った上にちゃっかり頂いてしまっている僕も僕だと思うが。 ともかく、おはようの挨拶と共にあっさり手首を切る素敵なルームメイト様は、 ――どん、どん、ど、かこん。 特殊なノックは彼女のモノだ。 「開いてるよ」 言うと、一呼吸置いて音もなくノブが回る。 今日は膝から下が泥まみれ。 「……どうしたの?」 彼女は後ろ手に何かを隠し持ちながら、焦点の合わない目で僕を見ていた。 「何を?」 極力優しく微笑んで、僕は何が出てきても良いように心の準備を始めていた。 「………………あ、」 取りだしたのは、ハート型の容器……にタップリと盛られた汚泥だった。 「アナタの心です」 と言った。 じゅくじゅくとうごめく泥の中には、名も知らぬような雑種の虫が蠢いていた。 僕は頭部を後ろに傾け、ひとしきり笑ってから心中で呟いた。こりゃあ――ケッサクだ、と。 PR |
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